自然言語理解
NLU & Understanding
自然言語
自然言語とは、人間がコミュニケーションのために使用する言語です。例えば日本語や英語は自然言語です。
自然言語の対語として形式言語が存在します。コンピュータのプログラミングに使われるC++やJavaなどの言語は形式言語です。形式言語は人間が定義したものであり、目的が限定され、その目的に沿って構文や意味が明確です。
これに対し自然言語の規則は曖昧で、基本的な規則は存在するものの、非常に多くの例外が許容され、それにより幅広い表現が可能となっています。
自然言語処理(NLP)
自然言語を、その曖昧性も考慮しながら、計算機を使って処理することを自然言語処理(NLP)といいます。
例えば以下のようなシステムは自然言語処理を利用しています。
- 音声認識・音声合成
- 日本語入力システム(かな漢字変換)
- 文章校正ツール
- 情報検索・文書検索
- 文書分類
- 自動要約
- 自動応答(計算機との対話)
- 機械翻訳
自然言語理解(NLU)
自然言語理解(NLU)は自然言語処理の一つの分野で、「明に書かれていること(字面に書かれていること)」だけでなく、「暗に示されていること」を理解することにより、自然言語を人間らしく処理しようとするものです。
自然言語理解は以下のような技術を含みます。
- 要点の理解
- 話題の理解
- 感性・感情の理解
- 意図の理解
意図理解
意図理解は、発話者が「何を言いたいのか」を理解する処理であり、自然言語理解(NLU)の中心的な課題となっています。
計算機との自然な対話のためには必須の機能となります。
例えば「喉が渇いた」という話しかけは、単に「喉が渇いた」という状態を述べているわけではなくて、「何か飲みたい」ということを訴えるものです。このような言外の意図を計算機で処理する(計算機が理解する)ことが、意図理解の目標です。